日本の「魂」を失った、2009年のF-1 そして鈴鹿・日本GP
F1=ホンダが撤退、経営資源を次世代技術に配分
日本のモータースポーツファン、F-1ファンの一人として、本当に残念でならない。夢とか誤報であって欲しいと今でも考えてしまう。ホンダ自身も望んでいなかった(と信じるが)この決断を下したことには、相当の悔しさや苦渋の念があったことも頭では理解しているつもりだが、自分がこの事実を100%受け入れるには、かなりの時間が掛かりそうだ。
福井社長は会見の中で、今回は「休止」では無く「撤退」であると強調したそうだ。前回の92年の撤退時には「休止」であり復帰にも含みを持たせていたけれど、今回「撤退」と断言したからには、少なくとも彼が社長である限り、F-1への復帰という選択肢はゼロパーセントであると捉えて間違いないと思う。日本という自動車大国において、F-1の世界に真っ先に挑戦し、そして数々の成功と失敗を重ねてきた彼らを失うことは、大げさではなく日本のモータースポーツの魂を失ったことを意味する。
せめてあと1年、撤退の決断を延ばすことは出来なかったのか。苦戦を強いられた2007年シーズンを経て、名将ロス・ブラウンを迎えた2008年シーズンのホンダは、大幅にレギュレーションが変わり浮上のチャンスが得られる2009年に開発の焦点に定め、2008年シーズンは半ば捨てていたはず。そして2009年には日本GPが鈴鹿に戻ってくることも決まっていた。「全ては2009年のために」。公に言葉として出ていたわけではないけれど、これがホンダF-1の今年のスローガンだったはずだ。
しかし世界中を襲う不況の波は、彼らの来年への挑戦の機会そのものを奪ってしまった。ホンダF-1チームについてはチーム売却の可能性を探っていくらしいが、心臓部であるエンジンの供給元をシーズン開幕までの短い期間で新たに見つけなければならないことから、やはりチーム解散の可能性が高いのでは無いか。また仮にどこかの企業が買収し来シーズンの参戦に漕ぎ着けることができたとしても、それは僕達が愛した「ホンダ・F-1チーム」では無い。
スーパーアグリが2008年5月にF-1撤退を表明してからちょうど7ヶ月。事実上の親会社であったホンダも撤退してしまい、結果的にF-1界では前代未聞の「共倒れ」という形になってしまった(この結果については別に触れたいが)。今年1年で私も含めた日本のF-1ファンが味わわされた「喪失感」は余りにも大きすぎる。
そして「計画通り行われる」2009年の鈴鹿・日本GPは、日本のF-1、日本のモータースポーツの魂を失った状況での開催を余儀なくされることとなった。鈴鹿の秋空に寂しくたなびく「HONDA」のフラッグを見たとき、僕らは失ったものの大きさを改めて知ることになるのだろうか。
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