王者の貫禄を見せたユナイテッドが快勝 2シーズン連続の決勝進出 ~2008-09 UEFAチャンピオンズリーグ 準決勝 2nd Leg アーセナル 1-3 マンチェスター・U ~


圧倒的な試合運びを見せたファーストレグの勢いそのままに、ユナイテッドは前半10分ちょっとという早い時間帯であっという間に2点を奪い、アーセナルの勝利への意思をあっさりと消し去ってしまった。このユナイテッドの集中力、底力はやはり凄まじかった。
前半8分にパク・チソンが先制ゴールを決めるまでは、アーセナルの試合運びは決して悪くなかった。ファーストレグでの不甲斐なさを盛り返そうとするチーム全体の意思が確かに感じられたが、痛恨のスリップを犯してしまったギブスのミスを見逃さなかったパクの強かさが際立った先制ゴール。そして思わぬ失点で戸惑いを隠せないアーセナルのハートを一直線に射抜いたロナウドの弾丸FKが炸裂。ファーストレグでアウェイゴールを奪えなかったアーセナルにとっては、この2失点で勝利への意思を大きく挫かれてしまった。
後半も気落ちしたアーセナルに対してゲームをきっちりとコントロールしていたユナイテッドが、カウンターからロナウド、パク、ルーニーと綺麗に繋いで最後はロナウドが3点目のゴールを叩き込んだ。多彩な得点パターンを見せたユナイテッドからは、これが王者の戦いだと言わんばかりの貫禄に溢れていたように思う。
しかし永遠のライバルに快勝したユナイテッドに唯一ケチが付いたのが、フレッチャーに出されたレッドカード。これについてはビデオを見る限り厳しすぎる判定だったと思う。ファール(=PK)の判定そのものは正統なものだったが、ファールを受けたセスクの倒れ方があまりにも大げさだった。この日の主審(ロゼッティ氏)の判定は他にも疑問が残るものが多かったし(特にフレッチャーが退場した後の時間帯に多かった)、このシーンではイエローカードで十分だった。パフォーマンスが大きく落ち込んだ一時期に比べてチーム全体のコンディションが良好なのは間違いないが、決勝に向けて数少ない不安要素を挙げるなら、このフレッチャーの出場停止だろう。
2005-06シーズン以来3シーズンぶりの決勝進出を目論んだアーセナルだったが、正に王者ユナイテッドに返り討ちにあったという表現がぴったりなほどの完敗。2点を取られてから後半途中にベントナーを投入するまでの間、彼らは反撃の糸口を全くといっていいほど掴めなかった。この点は解説の粕谷氏が試合の中でも言っていたように(若いチームであるが故に)苦境に立った時のチームの纏め役が不在である点が大きかったと思うし、もう1つ気になったのはセスクのパフォーマンスが超人的に良かった頃(例えば昨シーズンの前半とか)と比べると明らかに低いことだ。
長期負傷から4月にようやく戻ってきた彼だが、身体のコンディションは戻りきっていないように思えるし、更にそんな状態にも関わらずキャプテンという責任も背負わなければならなくなっている。良かった頃のセスクはそれこそ伸び伸びとプレイしていた印象があるけれど、今日の試合ではPKを奪ったように鋭い動きを時折見せたものの、この「二重苦」が彼の快活なプレイに少なからず影を落としているように僕には感じられた。
しかし今のアーセナルの顔ぶれを見る限り、彼以外にキャプテンを任せられるようなチームの象徴と言える選手はいない。やはり上述したとおり若いチームであるが故の弱点が際立った、逆に言えば王者であり大人のチームでもあるユナイテッドがその弱点を際立たせた、そう言えるのではないだろうか。
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