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2009年5月10日 (日)

バトン4勝目 ブラウンGPが開幕戦以来のワンツーフィニッシュ ~2009年F-1第5戦 スペインGP 決勝~

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■決勝結果(ポイント圏内のみ)
優勝 J.バトン
2位 R.バリチェロ
3位 M.ウェバー
4位 S.ベッテル
5位 F.アロンソ
6位 F.マッサ
7位 N.ハイドフェルド
8位 N.ロズベルグ

 ヨーロッパラウンドの開幕戦・2009年F-1第5戦スペインGP決勝は、ポールからスタートしたブラウンGPのバトンが今シーズン4勝目を挙げた。バトンはスタートでトップに立ったチームメイトのバリチェロを柔軟な戦略変更で逆転し、見事なポールトゥウィン。ブラウンGPは開幕戦以来のワンツーフィニッシュを達成した。そして3位にウェバー、4位にベッテルのレッドブル勢が入り、ブラウンGP追撃の最右翼であることを示して見せた。

●スタート直後の多重クラッシュでセーフティーカー出動

 好スタートをきったのは3番手スタートのバリチェロ。1コーナーでバトンを交わしてトップに立つ。上位でKERSを搭載するマッサのスタートも注目だったが1つ順位を上げて3位に浮上する。このオープニングラップでニコと接触したトゥルーリを中心に、中段勢で多重クラッシュ発生。パーツが激しく飛散し、いきなりのセーフティーカー出動となってしまった。このアクシデントによりトロロッソの2台、トゥルーリ、スーティルの4台がいきなり消えた。中嶋はギリギリで混乱を避けたものの、フロントウィングにダメージを負い緊急ピットイン。最後方に順位を落としてしまった。
 
 5周目にレース再開。5番手のウェバーと6番手アロンソがサイドバイサイドの激しいバトルを繰り広げている。7周目のホームストレートでコヴァライネンがスローダウン。マシントラブルで彼もリタイヤとなってしまった。トップのブラウンGPの2台はほぼ同じラップペースで3位マッサとの差を徐々に広げていく。ブラウン勢にとって強敵と思われるベッテルはペースがやや伸びないマッサの後ろに支える形となっている。

 

●ライコネンがトラブルでリタイヤ ブラウンGPのバトンが戦略変更

 上位陣で最初に1回目の給油に飛び込んだのはトヨタのグロック。続いてバトン、アロンソが給油を済ませる。バトンは9秒以上という長めの給油を行ったように見えた。その直後にKERSが機能しないというトラブルを抱えていたライコネンがスローダウン、エスケープゾーンに車を止めた。戦闘力を増していたフェラーリだが、ライコネンは予選から今日の決勝までほとんど良いところを見せられずに終わってしまった。
 
 次の周、バリチェロ、ウェバーがピットイン。バリチェロは6秒7のピット作業。彼は3回ストップの作戦を取った可能性がある。翌周、マッサとベッテルが同時にピットイン。ほぼ同じピットタイムで作業を終え、順位も変わらずコースに復帰した。トップのバリチェロは給油を行っていない2番手のロズベルグ以下との差を徐々に広げていく。どうやら元々2台とも3回ストップ作戦だったブラウン勢だが、スタートを失敗したバトンはセーフティーカー出動を機に2回ストップに変更した模様。2番手を走っていたロズベルグが26周目に給油を行い、上位陣が全て1回の給油を終えた。順位はバリチェロ、バトン、マッサ、ベッテル。給油を行っていないハイドフェルド、ハミルトンを挟んでウェバー、アロンソの順。
 
 30周目、バリチェロが2回目の給油ストップ。1回目と同じ6秒7で作業を終え、ベッテルの後ろの4番手でコースに復帰した。この戦略がどう出るか。暫定トップに立ったバトンとの差は約8秒、2台の「見えない」争いだ。前を走るバトンがペースを上げ、先ほどとは逆にバリチェロとの差を広げていく。バリチェロ苦しいか。36周目に9位まで浮上していた中嶋がピットイン。
 
 43周目、マッサとベッテルが同時に2回目のピットイン。レッドブルの作業がやや遅れベッテル逆転ならず。順位はそのままで両者コースに復帰する。しかしフェラーリはハードタイヤのパフォーマンスが不足気味で、まだどうなるか分からない。そのマッサだがやはりハードタイヤではペースが上がらず、KERSで何とかベッテルを押さえているが非常に厳しい戦いを強いられている。まだピットに入っていない暫定3位のウェバーに逆転されそうな状況だ。そのウェバーと2位バリチェロが残り16周目に同時にピットイン。ほぼ6秒で作業を終え、順位は変わらず。マッサはスタートから守ってきた表彰圏内から脱落してしまった。中嶋は51周目に最後のピット作業を終えた。

 

●2ストップに切り替えたバトンが4勝目のチェッカー 燃料不足に陥ったマッサが順位を落とす

 しかしマッサの無線通信で彼の燃料の残量が持つかどうか微妙なことが判明。こんな重要な情報を公共の電波に乗せていいのかと思うが、これを知ってか4位の可能性が出てきたベッテルは最後の追い上げに入る。そして63周目のホームストレートで、ついにベッテルがマッサをパス。大きくペースを落としたマッサは4位を捨てて燃料をセーブし、5位を守る戦略に切り替えた。そして残り2周、マクラーレンのハミルトンをトップのバトンが周回遅れにしてしまった。ブラウンGP恐るべし。そしてファイナルラップ、5位に落ちたマッサの背後には6位のアロンソが迫っている。観客は大喜び。アロンソは高速のターン3で外からマッサを交わした。
 
 バトンはトップでチェッカーを受け、今シーズン4勝目を挙げた。バリチェロが2位に入り、ブラウンGPは開幕戦以来のワンツーを達成。3位にウェバー、4位にベッテル。レッドブル勢がブラウンGPに次ぐ存在であることを改めて示してみせた。5位に地元のヒーロー・アロンソ。燃料を何とか持たせたマッサが6位、7位にハイドフェルド、8位にロズベルグ。ここまでが入賞圏内。そして13位に終わった中嶋はまたしてもスムーズな決勝レースが出来なかった。
 
 

●ヨーロッパラウンド開幕戦で ブラウンGP 対 レッドブルの構図が明確に
 
 僕は以前の投稿でこう書いた。「多くのチームがマシンのアップデートを行ってくるだろうこのヨーロッパラウンドの開幕戦の成績が、ブラウンGPがシーズンの流れを本当に掴めるかの試金石になる」と。そして結果はこの通り。ブラウンGPは1-2フィニッシュという最高の結果で、今シーズンのF1の中心的存在であることを再び示して見せた。

 純粋な速さを見れば他チームとの差は確実に詰まっているが、レースペースの安定性(今日はハードタイヤを履いた第3スティントで特に良かった)とマシンの信頼性(ここまでリタイヤゼロ)ではまだトップクラスの実力を保持している。そして今日のレースでは、バトンを2ストップ戦略に切り替えた戦略の柔軟性も見せられた。さすがはロス・ブラウンとしか言いようが無い。
 
 レッドブルの2台も実力に相応しいパフォーマンスを見せ付けた。惜しむらくはベッテルがオープニングラップから終盤までマッサのペースに付き合わされてしまったことだろう。2回のピットストップで2回とも同じ周に作業を行うことは珍しいとも思ったが、あと1周でもマッサよりピットインのタイミングを遅らせられれば、ブラウン勢にもっと脅威を与えることができただろう。ただいずれにせよ、彼らがブラウン追撃の一番手であることがこのレースではっきりしたと思う。
 
 5位に入った地元アロンソは、彼らのマシンの実力を考えれば最高のパフォーマンスを見せた。さすがは元チャンピオン。逆に6位のマッサは何とか6位に漕ぎ着けたという表現がピッタリなくらい、まずいレースをしてしまった。セパンの予選Q1、セパンの決勝でのタイヤ選択ミス、昨日の予選Q1、そして今日の燃料不足。フェラーリのチームマネジメントが機能していないことがまたしても露になってしまった。マシンの戦闘力は増しているが、このチーム組織の問題が解決されない限り、今回のようにドライバーにとって歯がゆい戦いが続く可能性は十分にある。

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